【利用事例】難易度の高い特殊な紙にも対応!「美味しさ」を伝えるチョコレートの包装紙制作

Tribal Cacaoの取材記事アイキャッチ

2018年に千葉県の柏市にオープンした「Tribal Cacao」(トライバルカカオ)は、カカオ豆からチョコレートバーまでを一貫して製造するビーントゥバーチョコレートの専門店。こだわり抜いたカカオ豆と砂糖のみで作られるチョコレートは非常に人気が高く、多くのメディアなどでも取り上げられています。

素材となる豆の個性から製法まで徹底的に研究し、並々ならぬ情熱をチョコレートに注いでいるのが代表取締役社長の橋本直樹さん。そのこだわりは商品の包装紙にも表れていますが、この包装紙が完成するまでには様々な苦労がありました。

今回は橋本さんのチョコレート作りに懸ける思いを聞くとともに、当社を利用いただいた経緯についてインタビューしました。

橋本さんプロフィール写真

Tribal Cacao株式会社 代表取締役社長
橋本 直樹

2018年、千葉県柏市にビーントゥバーチョコレート専門店「Tribal Cacao」をオープン。理系大学の出自を活かし、科学的知見も取り入れたチョコレート作りを行っている。

カカオの個性を最大限に伝える、こだわり抜いたチョコレート作り

インタビューに応えるTribal Cacaoのオーナー橋本さん

ーー橋本さんはどのようなきっかけでチョコレート作りを始めたのでしょうか?

橋本さん:今でこそカカオのことならなんでも聞いてくださいと言えますが、もともとチョコレートに詳しかったわけでもなんでもなく、全くの素人がチョコレート作りを始めるという感じでした。「チョコレートって何でできてるんだろ?」とか、本当に最初はそんなレベルからのスタートでしたね。

美味しいものとお酒が大好きで、将来はカフェを開きたいなと漠然と考えていたところ、大学時代からずっと入り浸っていたコーヒー店のオーナーにチョコレート専門店はどうかと勧められて、作り始めたのがきっけかけなんです。毎日図書館に行っては専門書をひたすら調べ、独学でチョコレートを作るように。そんな日々が続き、だんだんとチョコレート作りにハマっていきました。

工房でチョコレートを作るTribal Cacaoのオーナー橋本さん
大学時代は理系で専攻は経営工学だったという橋本さん。チョコレート作りとは一見関係のない分野のように思えますが、意外にもチョコレート作りに活かされていると話します

ーー理系大学を卒業してチョコレート職人を目指すというのは珍しい経歴ですね!

橋本さん:確かに私のように料理やお菓子を専門的に学ばずに理系の大学を経てチョコレートの専門店を開いた人というのはあまり聞いたことがないかもしれません。でも、最近では分子ガストロノミーといって、料理を科学的に研究する流れもでてきています。

例えばクロワッサンの生地を作るにあたり、AIなどを利用して職人の動作などを分解することで、生地に力がどう伝わって何層の生地ができるのかなどを科学的に検証分析するような手法です。一流のパティシエやシェフもこのような科学的なアプローチで料理を研究するようになってきていますよね。

カカオやチョコレートの製造について説明するTribal Cacaoのオーナー橋本さん
チョコレート作りに使うカカオ豆は、10カ国以上から厳選したものを仕入れているそう

橋本さん:そういう点では私も理系としての切り口からチョコレート作りを科学的に研究し続けていましたし、他の職人さんよりも早くチョコレートが作れるようになった要因もここにあるのではないかと思っています。

自分の好みではなくチョコレートとしての完成度を追求

Tribal Cacaoの店頭に並ぶチョコレート

ーーチョコレート作りにおいてこだわっていることを教えてください

橋本さん:私がいちばんこだわっているのは素材です。全てはカカオ豆の素材の良さ、個性をうまく伝えることが第一だと考えています。だからうちはほとんど板チョコしか置いてないんです。

あと、あまり自分のチョコを愛しすぎないようにしています。好きになってしまうと絶対に親バカになってしまいますから(笑)。それが私の好みではなくともお客さんの好みには合うものかもしれないですし、自分が作りたいものとカカオの個性が違う場合もあります。

Tribal Cacaoのチョコレートの製造風景
素材となるカカオ豆に応じて、チョコレートの製法も少しずつ変えているといいます

ーーカカオ豆が違うと味わいも変わるのでしょうか?

橋本さん:全く違う味わいになりますよ。だから作りたいチョコレートを作るというよりも、チョコレートとしての完成度を重視して作るようにしています。すごい難しいバランスなんですけどね。自分の好みを優先して全体的な方向性が寄ってしまうと、カカオ本来の個性が消えてしまう可能性があるんです。

うちのお店に来るお客さんたちが何を求めているのかというと、ほとんどの方が特別なカカオの味や個性を楽しみたいというところだと思うんです。だからこそ素材の良さをどれだけうまく伝えるかが大事。1+1が2以上になる、そんなチョコレートを日々研究しながら作るようにしています。

美味しさを伝えるために探し続けた包装紙

Tribal Cacaoのチョコレート。包装紙はアルプスPPSが制作している

ーー包装紙にはどういったこだわりが?

橋本さん:板チョコの難点として挙げられるのが見た目に関して全くもって飾り気がないというところです。いくら味や品質が良くても板チョコの状態ではそれがなかなかお客さんには伝わらない。だから包装紙は商品を設計するうえで非常に重要な要素になると考えています。チョコレートの「美味しそう」「楽しい」というイメージや、特別なものが入っている「憧れ」のようなものを演出する記号的な役割があるんです。

私が求めているのは、お客さんが目で見て、触った瞬間に「これは間違いなく美味しい」と確信が持てる……そういったものでした。だから包装紙はかなりこだわりを持って探しましたね。数百枚くらい紙のサンプルを取り寄せたり、紙の問屋や見本市などにも足を運び続けました。結局納得できる紙がなかなか見つからず、半年以上かけて探し続けようやく見つけたのが株式会社 竹尾さんの「新だん紙 雪 110kg」です。遠目で見てもわかる質感と高級感が決め手でした。

Tribal Cacaoのチョコレート包装紙。竹尾の新だん紙を使用
包装紙として選んだ竹尾の「新だん紙 雪 110kg」は、紙全体にあしらわれた細かい皺紋が特徴。見た目からも立体感が伝わってきます

ーーようやく納得できる包装紙が見つかったんですね!

橋本さん:満足いく紙には出会えたのですが、その印刷を受け付けてくれる会社がなかなか見つからなかったんです。懇意にしているデザイン会社や印刷会社があれば違ったのかもしれませんが、全てをゼロから始めた私にそういった人脈はありませんでした。

ーーでは、どのように印刷会社を探したのですか?

橋本さん:まずは一通りいろんな印刷会社に連絡をとり印刷の依頼をしたのですが、全て断られてしまいました。担当者の方に紙を見せて話そうとすると「あー、これはうちでは無理です」と即答。話すら聞いてくれませんでした。

竹尾さんの新だん紙は非常に高級で、紙の専門店の方も「え?これでチョコを包むんですか」と驚かれるくらい特別な紙。しかも紙の表面には凹凸がありますし、これに色を乗せるにも高い技術が求められるということで……。結局全ての印刷会社に断られてしまいました。

包装紙の発注について語るTribal Cacaoのオーナー橋本さん
「断られたのは技術面の問題だけではなかったのかも…」と橋本さんは振り返ります

橋本さん:これまでちょっとしたシールは格安の印刷会社に発注したことはあったんです。ただ、納品物を見ると、発注した色と全然違っていることが何度かあって……。シールならまだしも、包装紙になるとブランドのイメージに繋がってきますからそういうわけにもいきません。何千、何万枚と刷ったとしてもお客さんの手元に届くのはたった一つです。

だからこそ印刷のズレや色の違いなど、狂いは許されず一定の品質を保って納品して欲しいというのが発注する上での最低限の条件でした。そういう包装紙ならではの難しさもあったので、印刷会社としてもなかなか依頼を受け付けてくれなかったのではないかなと、今となっては思いますね。

そして見つけたアルプスPPS。「ダメ元で依頼も二つ返事でまさかのOK」

Tribal Cacaoのチョコレート

ー当社のことはどのように知ったのでしょうか?

橋本さん:様々な印刷会社に依頼をしては断られ続ける日々が続き、さすがに心が折れかけていたのですが、そんなときネットでたまたま見つけたのがアルプスPPSさんでした。いろんな印刷会社に依頼してもダメでしたし、どうせ同じように断られるだろうなと最初は思っていました。

ただ、HPを色々と調べていくうちに紙を切る職人の特集記事が目に入って、そこから職人さんを大切にしている雰囲気が伝わってきたんです。ここならもしかしたら対応してくれるかもと思い、とりあえずダメ元で依頼してみました。

ー依頼した際の対応はいかがでしたか?

橋本さん:「竹尾さんの新だん紙に包装紙用の印刷をお願いしたいんですけど」と言ったら、普通に「はい、わかりました」と見積もりが届きました(笑)。びっくりするぐらいあっさりでしたね。こちらとしては「え?いいの?」という感じでした。どこの印刷会社に行っても話すら聞いてもらえなかったので「本当に大丈夫なのかな」と思ったくらいです。

しかし、出来上がって納品されたものは非常にクオリティが高かった。色も質感も自分がイメージしていた通りのものが届いて、本当にアルプスPPSさんに依頼してよかったなと思いましたね。

確かなクオリティ、納期の早さ、コスト面も優れていると評価

Tribal Cacaoのチョコレート。立体感のある包装紙

ーー実際に納品された包装紙について、不満点などはありませんでしたか?

橋本さん:開店以来継続発注していますが、何よりも仕事が正確で狂いがないですし、不良品なども全く出てきていません。納品された印刷物の発色が思っていたものと違うということも今のところ全くありませんし、アルプスPPSさんには非常に質の高い仕事を提供していただいています。

コスト面も納得できる金額です。チラシなど普通の印刷物ならコストだけで紙を選べばもっと安くできますが、うちの包装紙のように、そこに込められた想いやメッセージなどを伝えるには素材の質感や印象がとても大事になってきます。そうなるとやはり、素材が活きる色の乗せ方や印刷の技術力が求められるんだろうなと思います。

だからこそ、こちらの意図をしっかりと汲み取ってイメージ通りに応えてくれるアルプスPPSさんの職人としての仕事には大変満足していますね。新商品や季節限定商品など、新しい包装紙が必要なときも短納期で対応してくれて助かっています。

包装紙に使用している竹尾の新だん紙
こちらが印刷前の「新だん紙」。伝統ある手漉き和紙「檀紙」を再現し、紙全体に細かい皺紋があり、温かく柔らかいぬくもり・手触り感が特徴です。 宮中の儀式にも用いられていた伝統ある手漉き和紙「檀紙」を再現した紙でもあります
色味をチェックするアルプスPPSのスタッフ
紙のエンボス模様の向きが重要なため、各絵柄に対してきちんと正しく印刷されるよう入念にひとつひとつチェックを進めていきます。単なるデータチェックではなく、紙の種類や印刷を熟知したオペレータだからこそ出来る、細やかな対応が強みです 

対応が丁寧で優しい、だから仕事が依頼しやすい

ーー開店後3年間継続利用していただいていますが、お付き合いを続ける中で当社に感じたことは何かありますか。

橋本さん:アルプスPPSさんの場合、データ一つとってもきちんと保管してくれているから助かります。再印刷の際に修正してほしい点があれば、過去のデータを保有してくれているので指摘がしやすいです。

あと、他の印刷会社とここが違うなと感じたのは、紙の流れ目などについて、こちらにしっかり確認をとってきてくれたところですね。もちろん特殊な紙ということもあるとは思うのですが、他の印刷会社ではこういった対応はされたことがありませんでした。そういう点でも対応が本当に丁寧で優しいです。

今後は屋外などのイベントなどで使う大判印刷品の制作などを考えています。特殊なデザインを発注したいと思っても、アルプスPPSさんだったら変な対応はされないだろうなという安心感があります。そういった点で依頼がしやすいのも大きな利点だと思います。

ーー最後に当社に対して一言お願いします!

早いもので、お付き合いが始まって気付けば3年。おかげさまで、楽しく魅力的なパッケージは今日もお客様にご好評頂いています。これからも紙と印刷の魅力とベジタブルインキなど細やかな気づかいをするアルプスPPSさんに仕事をお願いしたいです。

アルプスPPSに贈られたギフトセット
感射の気持ちと、今後もよろしくお願いしますという気持ちをこめて、橋本さんが贈ってくださったバレンタインのギフトセット

橋本さん:あと、アルプスPPSさんはホームページをみるとかなり親しみやすい印象ですけれども、実際に発注してみると、出来上がってくる商品のクオリティーが高く、実直な職人の仕事を感じます。こういう言い方をするとあれですけれども、いいギャップだと思います(笑)。

企業情報

Tribal cacaoの店舗外観

Tribal Cacao(トライバルカカオ)

千葉県柏市にあるビーントゥバーチョコレート専門店。10以上の様々な国から取り寄せた果実のような味わいを持つ高品質のカカオ豆と厳選された砂糖だけを用いて、職人が一枚一枚手作りで丁寧に作ったチョコレートを販売している。

住所:千葉県柏市あけぼの4丁目4-3 ルミエール ジビキ 101
電話番号:04-7115-9434
営業時間:11:00〜20:00
定休日:水・木曜
HP:https://shopinfo.tribalcacao.co.jp/

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